こんにちは歯科医師のどら猫です。
今回は割と質問される口腔洗浄機について解説していきたいと思います。
たまに患者さんから言われることが

最近、歯間ブラシからウォーターフロスに変えました。これでも問題ないですよね?



フロスがめんどくさいのでジェットウォッシャーに変えようと思うんですけど、実際どうなんですか?
という内容を耳にします。どうやら最近になって流行り始めたように思われます。
実は、この商品…名称がややこしいため、勘違いしやすい人が多いです。なので、しっかり口腔洗浄機について解説していきたいと思います。
口腔洗浄機とは?どういう機器?




歯と歯の間、歯と歯茎の間にノズルの先端を近づけて高圧の水を放出することで、歯磨きで取り切れなかった汚れを洗い流すのが特徴とされています。
そして、各メーカーが説明する主な使用目的、効果は
・歯と歯の間の清掃
・歯周ポケット内の清掃
・口臭や歯周病対策になる



あとは、フロスが苦手な人、矯正中の人などに便利とも謳っています。
いろんな呼び方がある


口腔洗浄機は各メーカーによっていろいろな呼び方があります。その一部をご紹介します。
- ジェットウォッシャー
- ウォーターピック
- エアーフロス
- オキシジェット
- 口腔洗浄機
- ハイドロフロス



商品の一部に「フロス」とついてるものもあるため、フロスの代用として購入を考えている人が多い印象です。
口腔洗浄機の種類
コードレスタイプ


メリット
・本体サイズが小さい
・設置スペースがない場合や持ち運びにも便利
・電源コードがないので、電源の確保が難しい場合にも〇
・充電式だけでなく、乾電池式の口腔洗浄機もあります
・防水性能を備えたモデルもあるため、洗面所だけでなくお風呂でも使いたいときも便利
デメリット
・タンク容量が据え置きに比べて小さい。短時間でタンクに水を継ぎ足す手間がある
・バッテリー残量が少なくなった際に水圧が弱まってしまう可能性もある
据え置きタイプ


メリット
・大容量のタンクを備えているのが特徴
・長時間使用したい場合に便利
・バッテリーの心配がない
・水圧を調節できるものが多い
・水圧のパワーが強いものが多い
デメリット
・比較的サイズが大きい傾向がある
・設置する際にスペースが必要
・持ち運びには向かない
・電源の確保が必要
口腔洗浄機はフロスの代わりとなる?
歯科界隈では、人それぞれ異なる口腔内において、粘着性のあるプラークが口腔洗浄機の水圧によって本当にキレイに除去できるのか?という疑問があり、現在でも賛否両論があり、明確な答えは出されていません。
しかしながら、「口腔洗浄機はフロスの代わりとなる?」という話しでは、海外での歯科医療従事者での評価は概ね
口腔洗浄機は口腔の健康を保つ上で、役に立つ可能性はある。しかし、フロスの代わりとして代用するのは推奨しない。
という意見です。



「歯磨き、フロスの後の仕上げ」として使用なら役に立つかもねって感じ
口腔洗浄機がダメということではない
口腔洗浄機はあくまでフロスの代用品とはならないという話しで、口腔洗浄機自体がよくないわけではありません。
口腔洗浄機について書かれた論文を見てみましょう。
An Overview of Different Interdental Cleaning Aids and Their Effectiveness
ポイントを抜粋
・口腔洗浄機は歯肉の上の方の歯垢を取り除くことができ、歯肉縁下(目では見えない歯肉の下の方)の細菌なども洗い流すことができた
・軽度~中等度の歯周病患者と糖尿病患者の歯肉の炎症を減少させた
・フロスはある程度の技術が必要。慣れていない人が使うと、かえって歯茎を傷つけてしまうこともある。そのフロスと比べると、誰でも簡便に歯肉を傷つけることなくバイオフィルムを除去できた



歯垢と歯石を間違える人がいるから注意してね!
Cochrane Review
ポイントを抜粋
・口腔洗浄機は歯肉炎を軽減する可能性があり、短期的にはフロスよりも歯肉炎の軽減において優れている可能性がある
・十分な研究がされてなく、結果にも一貫性もないため不確実である。



あくまで可能性…そして歯肉炎の軽減には優れているかもしれない
まとめ
・商品名に「フロス」とついている商品があるため。勘違いしやすいが、現在ではフロスの代用品にはならないという意見のほうが多い。
・歯肉炎の軽減にはいい可能性がある
・口腔洗浄機は口腔の健康を保つ上で、役に立つ可能性はある。しかし、フロスの代わりとして代用するのは推奨しない。
では、また次の記事で



歯ぁ磨けよ~