歯科医師のどら猫です。
歯ブラシは、どれを選べばいいのか悩まれる方も少なくないのではないでしょうか。これだけ多くの商品が並んでいると、どれがいいのだろうかと悩まれるのは当然です。

どら猫さん、歯ブラシのかたさとかってなんでもいいの?よく磨けそうだし、長持ちしそうだから「かため」にしてるんだけど
先日こんな質問をされました。



歯科従事者なら知っててあたりまえだけど、確かにそんなこと普通知らないよな…。
そう思ってブログにしようと思いましたので、解説していきたいと思います。
正しくない選び方をしてしまっている人の特徴
男性は「ガシガシ磨けるから磨けた感じがする」、「歯ブラシの毛が長持ちしそう」などの意見が多いです。
女性は「歯を傷つけないように磨きたい」、「硬いと痛そう…」などの意見が多いです。



ボディタオルも男性は硬めを選んでいる印象がありますよね
正しい歯ブラシの選び方


基本的には歯ブラシのかたさは「ふつう」を選ぶ
歯ブラシを選ぶ際の重要なポイントは主に3つです。
1.使用する「目的」
2.自身に合った「ヘッドの大きさ」
3.自身の歯ぐきの状態に合わせた「毛のかたさ」



まずは、自身の使用目的を決めましょう!
使用目的


まず、最も大切なのが使用目的です。各メーカーは、みなさんが使用するであろう「目的」に毛先の形を変化させたりしています。メーカーはちゃんと「ターゲット」を決めて商品を販売しているんです。
そのため、自信に合った目的の歯ブラシを選ぶことで効率的に歯みがきすることができます。
歯周病予防や改善のための歯ブラシ
歯周病患者さん用の歯ブラシというと、歯肉が腫れていたり、歯磨きすると出血してしまったりするから毛のかたさは「やわらかめ」と考えるかもしれません。
しかし、極端に柔らかいものはコシがないため、歯や歯肉に当たると毛が寝てしまい、プラークを落とすことができません。基本は「ふつう」の毛のかたさを選びましょう。
ただし、歯肉が極端に腫れはれている場合や出血、歯の根っこが露出していて、歯磨きをするとしみてしまう場合には、「やわらかめ」 に変更します。
歯肉からの出血などが改善したら「ふつう」のかたさの歯ブラシに戻していきましょう。



ただし、大前提として歯周病の患者さんは歯科医院にすでに通院していると思います。なので、かかりつけの歯科医師とよく相談して決めましょう!
虫歯予防のための歯ブラシ
虫歯予防においても、毛のかたさは「ふつう」が適しています。プラークをしっかりと落とすことが虫歯予防の第一歩になります。
やわらかくてヘッドが細すぎるものは適していませんし、「かため」を選ぶと、プラーク清掃能力除去は高くなりますが、多くの場合は歯肉やエナメル質を傷つけることになります。
ヘッドの大きさ


歯ブラシのヘッドの大きさに関しては、一般的には、頭部の長さが2歯分程度が口の中で操作しやすいとされています。また、歯と歯肉の間を磨くときには、細めのヘッドが磨きやすいです。
ヘッドが大きいと面積が広いため目視しやすく、清掃しやすい手前の歯は磨きやすいですが、奥歯は届きにくいです。なので、ヘッドが小さい歯ブラシをお薦めしています。
あとは、高齢者や何かしらの理由で「手に力が入らない」「しっかりと握れない」という人には、握りやすい太めのハンドルを選ぶといいでしょう。
毛の素材
動物の毛を使用した歯ブラシとしては、ブタやウマなど天然毛のものがあります。しかし、水はけがよく衛生的で、また素材の安定性、清掃効果にすぐれている点から、一般的なナイロン毛がお薦めです。
歯ブラシの交換頻度
見た目ではわかりにくいと思います。しかし、歯ブラシの毛は、使うたびに弾力や反発力が低下します。そうするとプラークの除去能力が低下してしまいます。
ライオン歯科衛生研究所の調査によると、新しい歯ブラシを100%とした場合の相対プラーク除去率は、毛先が少し開いた歯ブラシの場合で80・8%、毛先が開いた状態では2・ 9%に下がることが報告されています。
毛先の状態の悪い歯ブラシで歯を磨いてもプラークは落としきれないといってもいいでしょう。定期的に歯ブラシを交換するようにしましょう。そうすることで、歯ブラシ自体を清潔に保つことにもつながります。



ぶっちゃけ交換時期は人それぞれです。なぜなら、一日に磨く回数は人それぞれですし、歯磨き時間も人それぞれです。さらに言えばブラッシング圧や使っている歯ブラシの耐久力も異なります。メーカーによっては交換時期は3カ月に一度という歯ブラシもありますので、あくまで目安とお考え下さい。